太田愛の小説 幻夏を読んだ

電車の中での行き帰りに目をつぶり瞑想していられるタイプではない。

そこで本を読む。

昔からそうだった。

もちろん難しい本ではなく、小説。

特にミステリー小説ばかり読み漁っている。

一時は読み終わった本が自宅に貯まりすぎ困ったものだが最近では電子書籍というものがあり、もっぱらamazonのアプリであるKindleで読んでいる。

これは助かる。本を大事にするタイプでもなく乱読なので読んだらどんどん処分したいのでKindleのアプリは助かる。

で、kindleで最近、読んだミステリー小説が太田愛著の幻夏(げんか)。

これがなかなかおもしろかった。

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幻夏のあらすじ

あの夏の日、小学生の相馬亮介と水沢尚、拓の兄弟は楽しい日々を過ごしていた。

ある日、尚から「俺の父親はヒトゴロシなんだ」と聞かされ戸惑う亮介。

父親は現在、刑務所に収監されているという。

しかし、それは父親のことであり、尚と拓の兄弟には関係ないと亮介は思う。

尚、拓と遊ぶことの方が楽しいからだ。

だが、そんな夏の日の台風が明けた翌日に兄の尚が忽然と姿を消してしまった。

川辺に尚のランドセルだけが残されており、近くには //=|(スラッシュ、スラッシュ、イコール、バーティカルバー)という謎の文字が刻まれた流木が置かれていた。

23年後、警察官になった亮介は少女失踪事件が起こった現場に尚がいなくなったときと同じ謎の文字が残されていたことに気づく。

誘拐された少女は?尚の行方不明との関連があるのだろうか?・・・

少女と尚と尚の父親、絡み合う3つの事件。

幻夏の著者

作者は太田愛。

当初は小説家としてではなく、小劇団の脚本を担当していたとのことで、その後、「ウルトラマンティガ」やテレビドラマ「相棒」などの脚本を手掛けた。

小説家としては2012年に「犯罪者 : クリミナル(改題:犯罪者)」でデビューして、その後に本作「幻夏」、「サイレン」、「天上の葦」と言う作品となり、作品数は少ない。

幻夏の感想

序章の子供たちの夏の思い出から少女誘拐事件までの一気に読み進める。

尚、拓の兄弟、警察官になった亮介、亮介の友人である興信所の鑓水七雄、その部下の修二らのからみ。

読み始めたときは探偵である鑓水が主人公なのかと思ったが、あまり前面に出てこなかった。

ただの登場人物のひとりであったのは不満。キャラクター的にも薄かった。

小説のかなめの謎である「//=|」の文字はなあ~んだというという謎ではあった。

それでもという縦棒がバーティカルバーと読むのは初めて知ったのはなんかミニ知識が増えたような気がしてうれしい。

物語としては警察を含めた司法の闇を書いた小説でもあり、数奇な人生の展開に踊らされた3人の子供たちの物語であろう。

まとめ

率直におもしろいです。

ドラマ「相棒」の脚本も書いている作家でもあるので読者を飽きさせずに物語がどんどん展開されていくので読者がこの先どうなるのだろうと期待させてくれる。

前作、「犯罪者」も面白かったが作品数が少ないのでもっと書いてほしい。

現在の最新作である「天上の葦」はまだ読んでいないので近日中に読みたいと思う。

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